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2015.04.09 00:34|ナチュロパシー

1960年代に入り、

薬害被害、薬の副作用が目立ち始め、

1970年代のヒッピームーブメントとともに、

ケミカル・薬の反対運動が始まり、

ハーバルメディシンが復活します。


科学と医学の急速な発展と、

ハーバルメディシンの空白の30〜40年間で、

そのエナジェティックシステムの教育は失われましたが、

科学的に証明された伝統西洋ハーブの薬効や、

日々解明されてゆく人体の仕組み、病気のメカニズムや栄養素の働きなど、

新しい知識を取り込んだ現代のナチュロパシーが生まれました。


教育機関が再度立ち上がり、

新しくインダストリーが構築され、

およそ30年間。

現在、ナチュロパシーの学校(オーストラリア)で学ぶのは、

この、70年代以降に再度確立された部分。


ハーブに関しては、まず基礎として、

各ハーブの有効成分、作用、効能、薬物相互作用、禁忌、及び服用量、を学びます。

この中でも処方を考える時に一番重要なのが「作用」。

ハーバルメディシン独特の「作用」を表す言葉があります。

日本語で訳されている、

収斂、鎮静、鎮痙、鎮痛、消炎、利胆、発汗、利尿、浄血、アダプトゲンなどです。


1つのハーブがたいてい複数の作用を持ち、

処方は、いくつかのハーブによる、複数の「作用」の組み合わせで考えます。

それら作用については、科学が後追いで実証してきていますが、

解明されている薬効成分はまだ一部のみです。


解明されている植物の有効成分の生化学的裏付けと、

この伝統的「作用」を同時に考慮しながら、

医学的に解明されている病気の仕組みと人体の働きに基づいて、

各疾患をどのように治していくかを学びます。

これが、今のナチュロパシーの学問です。



Matthew Woodさんの本では、

この「作用」を表す、

astringent(収斂性)、mucilage(粘液性)、 antispasmodic (鎮痙)などの言葉が、

「熱、冷、湿、乾」のどの状態につながるのか、

それらは、現代で言うところの身体のどのような状態を表すのか、

それらを処方することで、身体のどの組織、どの働きに注目すべきなのか、

ある1種類のハーブでも、高い服用量と低い服用量で異なる作用をもたらすことなどを例に、

生化学的に理解していた効果や「作用」を通して、

ハーバルメディシンのエナジェティックシステムの説明をしてくれます。


伝統医療におけるハーバルメディシンと、

現代のハーバルメディシンの橋渡し。

長い歴史の中で失われた言葉の通訳のようです。


これを読んで、エネルギーメディシンとしてのハーブの存在が明確になり、

完全に、頭が生まれ変わりました。



歴史地図と、現代地図を重ねて見た感じ。

歴史的人体図と、現代の人体解剖図を重ねたところに、

ホリスティックなエネルギーの流れが浮き上がり、

伝統と科学、決して、どちらかを否定するわけではなく、

頭の中で自然に重なって、両方が共存できています。



そして、

エネルギーメディシンとしてのハーブの働きを理解したら、

同じ直線上でホメオパシーとつながり、

かつ、対症療法的と悩んでいたハーブの扱いも明確になりました。



全てのピースがはまったら、後は早いです。


その後、前学期中から、ホメオパシーを積極的に処方し始め、

試行錯誤しながらも、半年たった今、

だいぶ、ホメオパシーをトリートメントに取り入れられるようになってきました。


ホメオパシーは、ハーブと栄養素、食事療法、生活改善では手の届かなかった領域に手が届き、

また、ホメオパシーで手の届かない領域で、ハーブや栄養素が活躍します。


わやりやすい例だと、

身体が衰弱している場合、

栄養素を食事から摂っても、サプリから摂っても、

身体が吸収ができないことがあります。

慣れてしまった病気の状態のエネルギーの記憶が、

そのまま身体に残ってしまっている状態。

ホメオパシーは、

そのエネルギーの記憶を正し、

「いや、いや、こっちだよ」と、

ぱちんと正しい方向に向かせてあげる役割をする感じです。

それまで、スルーだったのが、

吸収ができるようになります。

そして自己治癒力が働き始めるのです。


また、逆に、

長年ホメオパシーを使ってきて、

症状はよくなったものの、

レメディを止めることはできなかったのに、

最終的にハーバルメディシンで完全に治ったケースなどもあります。



病気の状態で、生化学的に反応しやすい段階、エネルギー的に反応しやすい段階、

臓器の状態で、生化学的に反応しやすい状態、エネルギー的に反応しやすい状態、

人によって、生化学的に反応しやすい人、エネルギー的に反応しやすい人、

などなどを加味し、

どこにその人の「自己治癒力スイッチ」が隠されてるのかをさぐりながら、

ハーブ、サプリ、ホメオパシー、食事・生活改善を駆使していきます。



もちろん、「全体図の全てがわかった」のではなく、

「全体の物の考え方」が、ほんの少しわかっただけ。


ハーブ、栄養、ホメオパシー、フラワーエッセンス

数多くのレメディが存在し、

個人の身体と心と精神の状態、疾患、環境も考えると、

組み合わせは何万通り。

同じ疾患でも、個人によって処方は異なり、

ひとつとして同じ処方はありません。

頭と五感と第六感と全てを通した、

ハーブやレメディとその組み合わせの勉強は、

恐らくこの人生が終わるまでずーっと続くんだろうなぁ、と思います。


chastetree0115.jpg

チェストツリー。ほんとうに木(ツリー)です。


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2015.04.04 19:02|ナチュロパシー

授業やクリニックでは、


「免疫を上げるには?」

「エキナセア、アンドログラフィス、アストラガラス、ビタミンC、亜鉛、ビタミンD!」


「肝臓デトックスには?」

「シサンドラ、ウコン、ビタミンB6、B9、B12!」


「高血糖・高コレステロールを下げるには?」

「ジムニマ、コリアス、シナモン、クロミウム!」


「不眠には?」

「カリフォルニアンポピー、スカルキャップ、トリプトファン、マグネシウム、B6….」


などなど、秒速で回答できるよう訓練されます。

栄養素に関しては特に生化学的な説明ができるように求められます。

ハーブに関しても科学的に判明している成分があれば、

その説明ができるように求められます。

延々とその訓練が続く中、ホメオパシーというエネルギーメディシンが登場してきたわけです。


ホメオパシーの理論はとても魅力的で、素晴らしく、

マインドとスピリットがホメオパシーに傾けば傾くほど、

ハーブの扱いに悩み...


対症療法的に感じ始めたハーバルメディシンに関しては、

「何かが足りない、何かを見逃してる」という感じがしていました。

問題は、ホメオパシー自体でもハーバルメディシン自体でもなく、

あくまで、『自分の』ハーバルメディシンの理解。



そうして悩む私に、友人が探してきてくれた、

アメリカのハーバリスト、Matthew Woodさんの本。

The Practice of Traditional Western Herbalism




この一冊がすべてを解決してくれました。


ナチュロパシーにおける現代のハーバルメディシンと、

伝統的ハーバルメディシンの橋渡しをしてくれています。


ここから先は歴史が絡んできます。


昔は西洋にもアーユルヴェーダや中医学のような考え方が存在していました。

ヒポクラテスの時代のギリシャ医学で確立された四体液説があります。

紀元前4世紀のアリストテレスの四大元素(火・空気・水・土)と、

四性質説「熱、冷、湿、乾」から派生したもので、

人の体液を更に、4つの種類「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」に分け、

四性質に掛け合わせた考え方です。


この四体液説が2世紀にガレノスに受け継がれ、

その後、10〜11世紀のアビセンナ、

17世紀のイギリスのカルペッパーなどに引き継がれてきましたが、

19世紀後半に自然科学と融合した近代医学に取って代わるまで、

ヨーロッパでは、ガレノス医学が医療の中心でした。

ガレノスの理論を元に、

メインストリームメディシンとしてハーブが使用されてきました。

古代から植物は薬として使用されていましたが、

現代の西洋医学の薬も、植物などの天然物に由来する物は約4割と言われています。


医療におけるハーブの歴史は以下の本が参考になります。


Green Pharmacy
Barbara Griggs




ただ、中世のヨーロッパの医療は、薬草を使用していたとは言え、

「ハーバルメディシンで身体にやさしく病気を治しましょうね」

などという生易しいものではなく、

水銀などの重金属も用い、

瀉血、下剤、嘔吐によって治療を試みる、

非常に苦痛・危険を伴うものが多かったのです。


当時の苦痛を伴う拷問的な医療に疑問を持ち、

ホメオパシーという、独自の医療を作り上げたのがドイツのハーネマン。

マラリアの治療薬のキニーネが、

マラリアに似た症状を引き起こすことに注目し、

自分でキニーネを飲んでマラリアと似た症状を発生することを確認して、

「like cures like」の理論を生み出しました。


その一方、

薬草学を含む伝統医学は、

17世紀の顕微鏡の発明と細菌の発見以降、

19世紀の芥子の実からモルヒネ、キナからキニーネの分離など、

植物から有効成分のみを取り出す事に成功し始め、

20世紀に入り、更にそれらを人工合成する技術を得ていき、

薬草学も四体液説も、完全に現代医学に取って代わられました。

伝統的なハーバリズム自体は、

19世紀のアメリカのエクレクティック派にほそぼそと受け継がれ、

20世紀の頭にベネディクト・ラストがナチュロパシーを確立するまでは、

「メインストリームメディシン」の中にかろうじて足をひっかけた状態で存在はしていました。

しかし、1920年代の抗生物質ペニシリンの発見と、

1940年代戦時中のペニシリンの爆発的普及で、

ハーバリストの時代が完全に終わります。

最後のエクレクティック派の学校も1938年に閉校し、

伝統医療や薬草学を学ぶ教育機関は存在しなくなりました。


教育機関がなくなるということは、その学問の消失を意味します。

こうして、医療としてのハーバリスムを含む、

ヨーロッパの伝統医学は表舞台から完全に消失してしまいました。


その3に続く


echinacea0115.jpg

エキナセアの大群。圧巻。


2015.04.03 20:18|ナチュロパシー
半年ほど前、

中途半端なまま、ブログに書きっぱなしで放置していた、

ハーバルメディシンとホメオパシーの件

実は、あの後、比較的早く解決し、ぐんぐんと前に進んだのです。


長くなりますが、

これからナチュロパシーを学ぼうと考えている人には結構重要な内容だと思うので書いておこうと思います。

長いので3回に分けます。

今回はその1。


現在のナチュロパシーでは、

ハーバルメディシンとニュートリショナルメディシンが二大柱。

次いで、イリドロジー、ホメオパシーとフラワーエッセンスを補足的に学びます。


10年ほど前は、3年間のカリキュラムだったホメオパシーも、

今では2ターム分(およそ150時間ほど)に縮小されています。



学校では、最終学期に「インテグレイティブメディシン(統合医療)」として、

全てのモダリティを使ってトリートメントプランを作る科目がありますが、

得手不得手もあったりするので、

卒業後に、実際の自分のプラクティスでホメオパシーやフラワーエッセンスを使うかどうかは、

前回も書いた通り、個人次第です。



で、わたくし、

前学期(2014年9月)にホメオパシーの授業が始まりましたが、

始まった当初混乱していたのは以前のエントリーで書きました。


混乱の原因は、ホメオパシーの原理が、

ハーバルメディシンとニュートリショナルメディシンの使用に対してコンフリクトを起こすから。

前回も書きましたが、

ホメオパシーは独特の哲学で「like cures like(似たものが似たものを治す)」

ホメオパシーから見るとハーブも栄養素サプリも「アロパシー医学(対症療法)」


ホメオパシーの作用の一番わかりやすい例が、玉ねぎと、花粉症や鼻風邪。

普通の健康な人が玉ねぎを生で摂ったり、または切ったりした時、

目から涙を流し、鼻水が出るかと思います。

その玉ねぎの成分を限りなく希釈し、

成分がなくなりエネルギーのみになったレメディを、

目から涙をながし、鼻水がとまらない人に与えると、

その症状がおさまる、というもの。

生化学的に身体にアプローチするのではなく、

エネルギー的にアプローチし自己治癒力を高めるもの。

その一方で、ハーブには、

生化学的に、鼻水を止めるものもあり、

アレルギーを抑えるものもあります。

ハーブの中のどの成分がどう働くから、と説明ができるものが多いです。



作用のメカニズムが全く異なる二種類のメディシン。

エネルギーメディシンのホメオパシーの哲学を理解しようとすればするほど、

それまでの二年間で学んで来た生化学的に働く栄養学とハーブを否定する感じがして、

うまく頭の中で融合できず、

ホメオパシーとハーブと栄養素の治療を同時に並行して考えることができなくなりました。


問題は、ホメオパシーが理解できないのではなくて、

ホメオパシーと並行して利用する際に、

ハーバルメディシンを、どう理解して、どう扱うか。



そういうところ、

処理能力の高い頭脳を持っているわけでもないのに、

無駄に頭が固いので、

きちんと理解して消化しないと前に進めない性格。

周りの生徒は何事もないように受け止めているのに、

(後で、実はみな混乱していたのがわかりましたが)

私ひとり、行き詰まりました。



これを解決するのに、

先生に相談しようとしたものの、

前学期のホメオパシーの先生は、

「ホメオパシー創始者ハーネマン・ラブ♡」な30年のベテランで、

もともとハーバリストでもあったのが、

ハーネマンの原理に忠実に従おうとすればするほど、

ハーバルメディシンとホメオパシーの治療哲学との間でコンフリクトを起こすので、

ハーバリストを止めてホメオパシーだけを選んだ、

ピュアリストなクラシカルホメオパス。

ホメオパシーを知っている人にしかわからないと思いますが、

この先生に習っていた間は、

ケント(ハーネマンの後に独自の手法を確立したホメオパス)のレパトリーを見る事はほぼ禁止。

というか、まるでケント以降の体系は存在しないような扱い。

ポテンシーだって、30c以上はほとんど使わない。

そんな先生なので、回答は、

「うん、自分はそれができなかったから、ホメオパシーだけにしたんだよね」

聞く人を間違えました。


他の先生達にも相談したものの、

それらを「原理」「哲学」としてつなげる説明は難しく、

「経験で感触を培っていくしかない」

「それは誰もが答えを知りたいと思っている問い」と...



一方で、その時期は、

クリニックやバイト先のお店で、

ハーブやサプリの処方をすることも増え、

それらがどれだけ効くかも実感し始めていました。


お薬を飲むまでもなく、

ハーブやサプリで十分に効くことが多い。


その当時は冬だったので、

風邪の諸症状を緩和するなどの対症療法的なサプリとハーブの処方が多くなってきたこともあったからか、

効けば、効くほど、

「これは、薬と同じ対症療法的治療にすぎないのではないか?」

「何か処方の仕方が間違っているのではないか」

と、疑問がわいてきた時期でした。

ハーブやサプリを用いた治療が、

非常に西洋医学的な「対症療法的」に感じ始めたのです。



科学や対症療法に非常に近いところに感じるハーバルメディシンとニュートリショナルメディシンが左端にあるとしたら

ホメオパシーは真逆の右端にあって、

間を埋める物がない状態。


前学期が始まる前、

およそ半年前の自分の「ツール箱」には、

ハーブと栄養学しかなかったのですが、

そこにホメオパシーを入れようとすると、

ハーバルメディシンとニュートリショナルメディシンが弾け飛んでいってしまうのです。


どう理解して、整理したらいいものか途方にくれていました。


その2に続く

fennel0115.jpg

フェンネルの花と蜂。蜂、見える?
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Kanae

Author:Kanae
日本での15年ほどの社会人生活の後、Naturopathyを勉強するためにオーストラリアに。Naturopathyの勉強を考えている人に向けて、学校や勉強の情報をお伝えします。

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